ミッキー(@micky19750930)です。
今回ご紹介するお店は、本八幡にある小料理屋「大黒家」さんです。
かつての小説家 永井荷風が通ったことで有名な場所です。荷風が毎回食べていたというかつ丼があると聞いてやってきましたよ!
残念なお知らせですが、2017/06末を以って大黒家さんは閉店しまったとのこと。
このため、これ以降は過去ログとしてご覧いただければ幸いです。
大黒家、閉店です。
長い間ありがとうございました。
親子共々お世話になりました。#市川市#本八幡 pic.twitter.com/VKEQivkfwQ— かおるひめ (@kaoruhme_style) 2017年7月2日
2015/11/07 初投稿
2017/01/30 記事を全体的にリライト
2017/07/02 閉店情報を追記
2018/03/22 カテゴリ変更。
外観・内観・ポイント
大黒家さんは、京成線「八幡駅」から歩いて1分、あるいはJR本八幡駅から歩いて5分の場所にあります。何とも渋い外観ですね。
店内は混雑のため撮っていませんが、1Fはテーブル・カウンター・座敷席があり、2Fは宴会用の座敷となっていました。
建物は1回建替えているようですが、中は昭和を感じる昔ながらの趣でした。筆者はこの見た目で「お蕎麦屋」さんと思い込んでいました。しかしここは会席料理などもこなす小料理屋さんなのであります。
日本最高の日記文学と評される「断腸亭日乗」は、戦前から戦後へと移り行く日本を独特の視線から捉えた名作である。
永井荷風先生が、その名作の最後に記すこととなったのが、大黒家での食事についてであった。
ほぼ毎日、店が休みでも先生がいらっしゃるとお作りしました。いつもきまって「並のカツ丼」と「上新香」、「お酒一合」をただ黙々と召し上がられました。
亡くなる直前になると、日記の内容も「天気の事」と「正午大黒屋」 (家とは書かれなかった)のみの記述となっている。
亡くなられた前日にも、いつもの「カツ丼」を召し上がっていかれました。
大黒家WEBサイトより引用
永井荷風が愛した店として有名です。この本八幡界隈は戦前は東京の富豪の別荘地としても栄えていたとのことで、幸田露伴などの文豪も住んでいた地です。
かの文豪も大黒家を「大黒屋」と間違えるのですね(笑)
上記引用の書籍はこちらからご覧いただけます⇒摘録 断腸亭日乗〈上〉
※筆者もこの店の投稿をする時に間違えていたのに気付くのに時間がかかったことは内緒です(笑)
こちらのお店は予約も可能ですが、基本的にはそんなに混雑することもないのでフラッとお気軽に入ることが出来ると思います。
メニュー・料理のレビュー
和食を中心として、丼物や小料理、お弁当までバリエーションが豊富でした。今回は、冒頭にも述べました、永井荷風が食べたかつ丼にしてみました。
◎荷風セット(1500円)
永井荷風がかつて食べていたものをセットにしたメニューで、かつ丼、しじみ汁、お漬物、そして菊正宗(日本酒)1合が出てきます。2013年までは1260円だったのですが、値上げはちょっと痛いなあ。
かつ丼にグリーンピースは懐かしさを感じますが、これでもか!とたくさん入っているのにはびっくり。
カツはごく普通で突出すべきはなかったけど、出汁が優しく上品な味わいになっていました。日本酒の良いアテになりますね。
自家製の漬物としじみ汁。
糠漬けでしたが家庭の味わいでホッとします。しじみ汁の風味はそこそこか。
自分はこのセットの時は、カツの部分だけをつまみに日本酒を嗜み、残ったご飯と漬物・しじみ汁で〆るという風に食べるのが好きです。ご飯にカツと出汁の旨みがあって美味しいのですよね♪
永井荷風はこのセットを毎回(ほぼ毎日?)食べていたようです。このカツの味わいは創業当初からほとんど変わっていないとのことで、荷風も同じものを食べていたのかなと、嬉しい気持ちに。彼はこれを食べて飲んで、何を考えていたのか?と耽りながら自分も楽しむのでありました。
予算・総評
予算:荷風セットは1500円。
総評:荷風セットはカツ丼800円・菊正宗600円ぐらいと考えると金額的には妥当かなとも思います。晩酌しながら飲むというにはなかなかお得ですし、永井荷風が食べたとあっては思い入れも少しは強くなるかもしれませんね。お近くにお越しの際は試してみてはいかがですか?